15時発 夢の地下鉄汐里線

ハロヲタのための24のガヴォット第15番ニ短調

ブルックナー:交響曲第9番ニ短調 チェリビダッケ/ミュンヘンフィル

録音:1995年9月10日

Bruckner: Symphonies 3-9, Te Deum, Mass in F Minor

Bruckner: Symphonies 3-9, Te Deum, Mass in F Minor

チェリビダッケブルックナーはとにかくテンポが遅い
第9番はたいていの演奏がCD1枚に収まるはずですが
2枚組になっていて余白には練習風景が収録されています。
このBOXには3番から9番までと テ・デウム ミサ曲ヘ短調
が収録されていて12枚組¥3090(店により多少違うかも)という
超激安価格で出ているので超絶オススメでもあります。
このテンポはないよな とか
このバランスは とか いろいろ思うんですけど
長いにもかかわらず繰り返し聴きたくなるから不思議です。

このブログのTOPにも書いてあると思いますが
ブルックナーニ短調交響曲を3曲も書いています。
(0番 3番 9番)
ロマン派の場合生涯で9曲前後のことが多いので
同じ調性の曲が3曲もあるのは大変珍しいと思います。
そしてこの9番は完成していません
ホ長調の第3楽章で終わっているわけです。


トラック1 拍手が収録されています。


トラック2 第1楽章
脱力気味にかなり遅いテンポで始まります。
1つ1つの音をかみしめるように登っていき
2'40”くらいから第1主題が始まります。
経過句のピチカートもかなり遅く
4'13"くらいから第2主題になりますがこれまた遅い
さすがにやりすぎだとは思いますが
何度か聴いているとこれが普通に思えてくる
それだけの説得力はあります。
8:43くらいでやっと第3主題の予告(反行形)
9'35"でやっと第3主題 これまた遅い
(最初のほうを第3主題 あとのほうを展開形とみなす本もある)
こうして13分近くかかってやっと提示部が終わります。(ふつうは6分〜10分)
展開部に入っても遅いテンポは変わらない。
ブルックナーソナタ形式は独特で
第1主題の再現が展開部の中に組み込まれていることが多く
9番の第1楽章でも再現のあとにクライマックスがきます。
18'!5で第1主題の再現 ここでもテンポは遅いまま
19'20くらいからレミングスの行進
21'08”あたりで集団自殺
21'38"から第2主題の再現 提示部と同様に遅い
26'21"からようやく第3主題の再現
29'42"からコーダ 最後までテンポが上がることはない。
こうして32'25"かかってようやく第1楽章が終わります。(標準的には23分くらい)


トラック3 第2楽章
これまた信じがたいほどの遅さです。
グラーヴェのスケルツォかと思うくらい
5'18"でやっとトリオに入りますが
スローモーションで映画を見ているような気分になります。
8'31"くらいからスケルツォに戻って
結局13'47"かかって第2楽章を終えます。


2枚目トラック1 第3楽章
第1楽章と第2楽章が極端に遅かったから
どうなることかと思ったが
意外にも第3楽章の出だしはそんなに遅く感じない
慣れてしまったのかもしれないが
2'05"くらいから始まる さおだけ屋 もそんなに遅くは感じない
3'28"くらいから 生からの別れ があり
このあたりはテンポが落ちている。
5'30”くらいから第2主題に入る。これはかなり遅い
10'35"くらいから再び第1主題
そして15'43"から2度目の さおだけ屋
このあとの曲の構成が複雑で第2主題の後半部が現れて
第1主題の後半部 第2主題の前半部 と続いていき
さおだけ屋 は結局もう現れないで静かに終わっていきますが
最後に7番の第1楽章の断片が聞こえてきてきて終わります。
この楽章も30分以上かかってますから遅い部分は徹底して遅い