15時発 夢の地下鉄汐里線

ハロヲタのための24のガヴォット第15番ニ短調

アンモニア

erika00152008-11-22


アンモニアは窒素と水素の単純な化合物で分子式はNH3
化学的性質は水に似ていると言われ、水によく溶けアルカリ性の水溶液になります。
沸点が-33℃くらいですから常温では気体で
田舎の便所のような強烈な刺激臭があり毒性はかなり強い

人類の歴史において戦争と食糧は大きな要素ですが
アンモニアはそういった面で人類の歴史を大きく動かしてきました。
以前楽天のブログにかいたものをそのまま転載してみます。





人類の歴史を大きく動かした物質の1つにアンモニアがあります。

語源はエジプトの太陽神 アンモン に由来するのです。
ラクダのふんに付着していた白い物質

(不純な塩化アンモニウム?)には不思議な力があったようで 

痩せた土地をよみがえらせ作物を育てる(要するに肥料ですね) 

エジプトでラクダは神でしたから 神の化身とされた

現代の化学ではアンモニア(およびアンモニウム塩)は
窒素の化合物であることがわかっていますが
このことはすでに19世紀にはわかっていたでしょう。

このころ人類が直面した問題が食糧危機でした。
農作物は地中の窒素化合物を吸収して育つわけですから
やがて土地は痩せていくわけです
作物が土の中の窒素化合物を奪い取っていけば
遠からず地球は作物の育たない星になる

もしアンモニアを人工的に合成できればこの問題はなくなります。
そこでアンモニア合成の研究が進められたのですが
この研究の真の目的は別なところにあったのです。



20世紀のはじめ世界情勢は緊迫していました。
それまで爆薬を作るには チリからチリ硝石を輸入し
チリ硝石から硝酸を作り TNTやニトログリセリンを作っていました。

しかしドイツが世界を相手に戦争をするならこの方法は使えません
海軍力にまさるイギリスに海上封鎖をされたら終わりだからです。
したがって輸入にたよらず爆薬を作る方法が必要だったのです。

硝酸の製造法としてアンモニアから硝酸を作る方法は
20世紀のはじめ オストワルドがすでに開発していました。
しかし原料のアンモニアがどうしてもできません。
アンモニアは窒素と水素の化合物ですから
空気中の窒素と水を分解して得た水素を化合できれば
原料は無尽蔵ですからいつまでも戦争を続けられるわけです。

しかもアンモニアの製造には 食糧危機から人類を救う という
大義名分がありますから国家的プロジェクトとして取り組めます。

そしてついにアンモニアの合成はハーバーとボッシュによって
1913年に永遠に?戦争を続けることも可能な量の
合成プラントが動き出しました。

こうしてドイツ皇帝は戦争を決意しました。あとはきっかけです。
そんな1914年 サラエボオーストリアの皇太子が
セルビアの青年に暗殺されると世界大戦の引き金がひかれました。

これがいわゆる第1次世界大戦だったわけです

ハーバーは今日化学兵器と呼ばれているものを開発しました。
といってもボンベに詰めた塩素ガスを風下に向かって流すだけの単純なもの
ハーバーは自ら最前線で兵士たちに使い方を指導したとか
それでも威力は絶大で数千・数万のフランス軍兵士は
のたうちまわって死んでいきました